退職金制度なしの企業で働く会社員が老後生活苦を回避する5つの対策方法
今回のテーマは、「退職金制度なしの企業で働く会社員が老後生活苦を回避する5つの対策方法」についてわかりやすく解説します。
あなたの現在勤務している会社には、退職金制度がありますか?
もし、退職金制度なしの企業で働いていたり、今後転職を考えている場合、「老後に苦しい生活が待ち受けているのかもしれない」という不安と心配が付きまとっていませんか?
2020年のコロナ以降、ますます年功序列や終身雇用制度が薄れ、成果主義へと移行していく中で、退職金制度を設けていない企業が増えています。
この記事のテーマである【退職金制度なしの企業で働く会社員が老後生活苦を回避する5つの対策方法】では、退職金制度なしの企業で働く会社員のメリット・デメリット、老後生活で苦しい状況を回避するための5つの対策方法についてまとめているので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
退職金制度なしの企業で働く会社員は意外と多い?
退職金制度なしの企業で働く会社員は、あなたが思っている以上に意外と多いです。
退職金制度なしの会社の状況について、次の3つのことを詳しく解説していきます。
退職金をあてにできなくなった今、老後を豊かで悠々自適な生活を過ごすために、あなた自身の力でなんとかして稼いでいかなくてはいけません。
まずは、あなたの退職金の現状を知った上で、今日から行動していくことが大切になります。
「退職金制度なしの会社の状況とは?」について、1つずつ詳しく見ていきましょう。
退職金制度なしの会社は4社に1社
退職金制度なしの会社は意外に多く、4社に1社の割合で退職金制度がありません。
厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると、退職金制度がない企業の比率は19.5%となっています。
企業規模別にみたときの退職給付(一時金・年金)制度がある割合は、下記の表をご覧ください。
引用元:厚生労働省「退職給付(一時金・年金)制度」
企業規模 | 退職給付(一時金・年金)制度がある割合 |
---|---|
1,000人以上 | 92.3% |
300~999人 | 91.8% |
100~299人 | 84.9% |
30~99人 | 77.6% |
企業規模が大きいほど、退職給付(一時金・年金)制度がある割合が高くなっていくのがわかると思います。
厚生労働省の平成25年就労条件総合調査を見てみると、退職金制度のない企業は24.5%でした。
5年間で約5.0%の企業が退職金制度を廃止したという結果となりますね。
退職金制度なしの会社は今後も増えていくと予想されます。
退職金制度なしの会社は違法ではない
退職金制度なしの会社であっても、法律的には違法ではありません。
法律上、会社側に退職金の支払いを義務づける規定は存在していないので、退職金制度を設けるか否かは、あくまで会社の裁量に委ねられているのです。
東京都の労働問題相談室によると、退職金制度については以下の原則があります。
1.退職金は、必ず支給しなければならない賃金ではない。
2.労働基準法(第89条)では、退職金の定めをする場合には就業規則に記載しなければならないと定めているのみである。
3.法律的には、会社の言い分どおり規定が無ければ退職金を貰えなくてもやむを得ない。
引用元:東京都 TOKYOはたらくネット 労働問題相談室(労働相談Q&A)
労働基準法の第89条において、退職金制度を設ける場合には、適用される労働者の範囲や退職金の計算および支払方法等について、就業規則に定めておかなければなりません。
しかし、規定がないからといって支給してはならないというわけではなく、長年に渡り会社に貢献してきた労働者が退職する場合や、希望退職を募集する際には、退職金が支給されることもあります。
上記のように退職金制度は、企業に広い裁量が認められているのです。
退職金制度なしの会社がある理由
退職金制度なしの会社には、次の4つの理由があります。
そもそも退職金制度というのは、世界的に見ても実は珍しい日本企業独自のシステムだったのです。
日本企業が安い労働力を求めて中国進出で、日本国内での製造業の縮小によって長年の不況で企業にお金がないことや、年功序列・終身雇用制度から成果主義へと変化したことで、転職率も上がっているなどが、退職金制度を設けない理由となっているのです。
退職金制度のない会社で働くメリットとデメリット
退職金制度のない会社で働くメリットとデメリットは、次のとおりです。
この記事を読むまで、もし、あなたが退職金の有無を知らないまま、退職金制度ない企業で働いている会社員で、退職金がないことを知ったとき、ガッカリとして仕事への情熱が冷めてしまうかもしれません。
退職金制度なしの会社で働いているとデメリットしかないと思いがちですが、実は上記のようにメリットもあります。
また、退職金が現時点ではもらえる制度になっている会社であっても、あなたが退職金をもらう数十年先に確実にもらえるという保証はありません。
退職金制度のない会社は、退職金を分割した金額を毎月の給料に上乗せしている場合もあります。
ただし、毎月の給料に上乗せされていても、定年時にまとまった金額をもらえる退職金と違うので、老後の資金をあなた自身が現役時代からコツコツ貯金したり、資産運用で増やしていく必要もあります。
退職金制度なしの会社では老後生活が想像以上に厳しい
事実、老後生活は、あなたが想像以上にお金がかかります。
【老後の貯金はいくら必要?独身者と夫婦での違いを徹底解説】の記事でもお伝えしていますが、老後に最低限必要な貯金額は、夫婦世帯で2,820万円、独身者世帯で1,750万円となっています。
夫婦世帯で2,820万円、独身者世帯で1,750万円もの金額を退職金なしでまかなうには、現役時代にかなりの準備が必要になってきます。
また、老後生活には、日常の生活費以外に、持ち家でなければ毎月家賃を支払わなければいけないし、車を持っていれば維持費も必要ですし、現役世代と同様に様々なお金がかかってきます。
普通に老後生活を過ごすにも多くのお金が必要になるの中で、思いもよらない事態が起こる場合もあります。
上記のような思いもよらない事態が起こったときに、貯金が一気に減り、最悪全ての貯金を失ってしまうことも無きにしも非ずなのです。
老後は働く機会も限られてくるので、収入源を増やそうと思っても難しく、最終的には老後自己破産の可能性が高まります。
退職金制度なしの企業で働いている会社員の場合には、老後の不測な事態にも備えた対策を現役時代の今から収入源を増やす行動していかなければならないのです。
【老後破産の実態とは?悲惨な老後破産を回避するための3つの対策】で、詳しく深掘りしているので、ぜひ読み進めてみてくださいね。
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する5つの対策方法
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避するために、現役時代の今すべき5つの対策方法についていお伝えします。
1:ライフプランをしっかり立案する
2:ローンや借金は早めに返済する
3:老後資金のために貯金する
4:年金の未納期間がないか確認する
5:資産運用を積極的に行う
退職金制度を設けていない会社が増えているとはいえ、実際に退職金がもらえないとなると、あなたの老後生活が不安視されてきますよね。
退職金なしの人が老後を生活苦ではなく、豊かで悠々自適に過ごすために今からできる5つの対策方法について、1つずつ詳しく紹介していきます。
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法1:ライフプランをしっかり立案する
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法1つ目は、ライフプランをしっかり立案することです。
老後の『ライフプラン=生涯生活設計』を知った後に、早めにしっかり計画し行動できるかどうかです。
特に、まとまった金額である退職金がもらえない企業で働いている会社員であるならば、あなた自身で退職金相当のお金を用意しなければなりません。
あなたの健康状態・経済状況・家族構成・生活環境・生きる目的などによって、老後の暮らし方は人それぞれです。
あなたが「どのような老後を過ごしたいのか?」や「理想とする老後生活にはいくらぐらいお金が必要なのか?」を明確にすることで、今から「どのように資金を準備していけばよいのか?」という行動に移すことができます。
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法2:ローンや借金は早めに返済する
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法2つ目は、ローンや借金は早めに返済することです。
現在、住宅や車のローンや借金などの負債がある場合は、定年前までに繰り上げて返済しておくことで、定年退職後にローンや借金で悩むことがなくなります。
もし、老後に住宅や車のローンや借金が残っているだけで、老後生活で金銭事情が厳しい上に、毎月のローンや借金が重い負担になってしまいます。
現状のまま、退職金のない企業で働いている会社員の場合、まとまった金額を用意するには、現役時代にコツコツ貯めた貯金に頼るしかないので、せっかく貯めたお金もローンや借金の支払いをしていると、あっという間に貯金額が底をついてしまいます。
現役時代に、全ての住宅・車ローンや借金の負債を完済することで、老後の資金は老後生活のために使えるように備えていくことができます。
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法3:老後資金のために貯金する
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法3つ目は、老後資金のために貯金することです。
退職金なしの人は、老後生活のために貯金しておくことが必須です。
あなた自身でまとまった金額を用意しなけばならないので、現役時代の今、毎月コツコツ貯金をしていく必要があります。
給料からの天引き制度や定期預金などを利用して、強制的に毎月確実にお金を貯めていける対策をすることが重要になります。
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法4:年金の未納期間がないか確認する
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法4つ目は、年金の未納期間がないか確認することです。
年金は、年金保険料の納付期間が10年に1ヶ月でも満たなければ、年金の受給資格がありません。
もし、9年11ヶ月支払っていたとしても、1ヶ月分の支払いをしていなければ、年金は1円たりとももらうことができないのです。
年金の受給額は年々少なくなっていますが、収入源がなくなる老後に年金がもらえないと、老後の日常生活に大打撃となります。
年金保険料の未納期間の有無は、年金事務所に問い合わせの電話をすれば教えてくれます。
もし、未納期間があれば、過去10年分を遡って追納することも可能なので、確実に年金保険料の支払いをしておきましょう。
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法5:資産運用を積極的に行う
退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する対策方法5つ目は、資産運用を積極的に行うことです。
あなたは、老後を貯金と年金だけで生活していくことに不安を持っていませんか?
現役時代の今から老後資金の一部を積極的に資産運用に回して、少しても資産額を増やしていくことで、定年退職後の老後生活には必要不可欠の解決策の1つです。
しかし、資産運用には、大なり小なりのリスクがあります。
定年退職直後に、老後生活で暇な時間が増えたからといって、ほとんどのお金を資産運用に回して、大失敗しているケースもあります。
老後生活が始まってすぐに、まとまったお金を一瞬で溶かしてしまっては、元もこもありません。
現役時代の今から、老後資金として貯めている貯金の一部を資産運用に回し、資産運用に慣れていくことで、リスクを最小限に減らすこともできます。
【 老後の資産運用(投資)に失敗しないポートフォリオと借金を負わないおすすめ方法】で、詳しく深掘りしているので、ぜひ読み進めてみてくださいね。
【まとめ】退職金制度なしの企業で働く会社員は積極的に老後資金を増やす対策と行動!
【退職金制度なしの企業で働く会社員が老後生活苦を回避する5つの対策方法】について、私の経験と共に解説してきました。
まず第一に、「あなたの現状がどの立場なのか?」を知ることが大切です。
退職金制度なしの企業に働く会社員の場合は、退職金制度がある企業に比べて、毎月の給与額が高い傾向はあります。
しかし、老後にまとまった退職金がもらえないので、老後資金をあなた自身で稼がなくてはいけません。
2023年の令和時代では、年功序列や終身雇用制度は一部の企業だけで、ほとんどが成果・実力主義のグローバル化の中で、今後ますます退職金なしの会社が増えていきます。
さらに言うと、若い世代は、企業に属さないフリーランスの活躍も目立ち始めてきています。
そこで、今回「退職金制度なしの人が老後生活苦を回避する5つの対策方法」をお伝えしました。
1:ライフプランをしっかり立案する
2:ローンや借金は早めに返済する
3:老後資金のために貯金する
4:年金の未納期間がないか確認する
5:資産運用を積極的に行う
今日からライフプランをしっかり立てて、現役時代の今から老後の備えについて、真剣に考えて行動していくことが重要になります。
リスクゼロで安心な貯金だけではなく、貯金の一部を資産運用に回し、老後資金を増やす行動をしていきましょう。
確かに、資産運用は、大なり小なりリスクが存在しますが、ギャンブルに投棄するよりは、リターンが見込めるので、少額から資産運用に慣れることから始めてみたはいかがでしょうか。
最後に、退職金制度なしの企業で働く会社員であっても、隙間時間を上手く活用することで、豊かで悠々自適な老後生活を過ごすためには、あなた自身の行動次第です。
【退職金のおすすめ運用プランとは?資産運用を失敗させない4つのコツ】で、詳しく深掘りしているので、ぜひ読み進めてみてくださいね。