老後は年金だけで生活できる?国民と厚生年金の違いから受給額まで徹底解説
今回のテーマは、「老後は年金だけで生活できる?国民と厚生年金の違いから受給額まで徹底解説」についてわかりやすく解説します。
まだまだ老後までは時間があるけれど、働き盛りの今のうちに「老後で受給してもらえる年金」について確認しておくことは、とても大切なことです。
など、老後生活の助けになる年金について、上記のような悩みや不安を抱えている人も少なくないのではないでしょうか?
あなたは、老後の生活に年金をあてにしていますか?
実際の老後の年金生活は、「どのような暮らしになるのか?」気になりますよね。
結論から言うと、老後の年金だけで生活するのは、とても困難な状況なのです。
年金の受給額は毎年受給額が変動し、実は年々減っている上に、電気代・ガス代・ガソリン代・食料品などの物価高が進み、貯金や退職金などまとまったお金がないと、すぐに老後自己破産に陥ってしまいます。
しかし、少額の年金しか受給されないからといって、現役世代のときに年金保険料を支払わないでいると、思わぬ代償を支払うことにもなりかねません。
この記事のテーマである【老後は年金だけで生活できる?国民と厚生年金の違いから受給額まで徹底解説】では、現役時代の今、年金に関する知識を身につけた上で、今からあなたが描く老後に向けた準備に役立つ情報についてお伝えしていくので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
老後の年金受給額の平均金額はいくらぐらいなの?
厚生労働省が公開している【令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況】によると、老後の受給額の平均月額は、国民年金が56,368円、厚生年金が145,665円となっています。
厚生年金は加入期間や報酬などによって、支給される金額に差があります。
国民年金と厚生年金について、1つずつ詳しくみていきましょう。
国民年金の平均受給額はどのくらい?
国民年金の平均月額は、56,368円です。
国民年金は、「基礎年金」とも呼ばれている年金で、20歳以上~60歳未満の日本国民全員が加入することになっている年金のことです。
自営業者や農業・漁業に従事している人が国民年金の保険料を個人で納め、国民年金対象者を国民年金の第1号被保険者といいます。
「第1号被保険者の配偶者はどうなのか?」というと、配偶者自身で国民年金の保険料を納めることになるので、第1号被保険者となります。
国民年金の制度上の支給額は、月額64,816円となっていますが、月額64,816円は40年間保険料を支払った場合の満額となります。
実際に、国民年金で受給される平均金額56,368円は、満額よりも1万円近く少ない人が多いというのが現状なのです。
厚生年金の平均受給額はどのくらい?
厚生年金の平均月額は、145,665円です。
厚生年金保険は、国民年金に上乗せされて給付される年金のことです。
基礎年金となっている国民年金の金額に、厚生年金保険料の受給額が加算された合計金額をもらうことになります。
厚生年金保険の対象者は、本人に代わって企業や共済組合が保険料を納めてもらっている会社員が主となり、企業や共済組合が保険料を納めてもらっている会社員の人を国民年金の第2号被保険者といいます。
第2号被保険者に扶養されている配偶者の人は、国民年金の第3号被保険者と呼ばれています。
個人事業主でも従業員数が5人以上いる場合には、厚生年金保険の強制加入となります。
ただし、飲食店などのサービス業は対象外とされています。
また、従業員数が4人以下の場合でも、従業員の1/2以上が加入に同意した場合には、厚生年金保険の申請をすることで、任意加入を行うことができるようになっています。
厚生年金は、加入期間や報酬などによって、支給される金額に差があります。
厚生年金の受給額で男女差が大きく、男性の平均月額164,770円、女性の平均月額103,159円と、6万円ほどの差があります。
年金を払っていない人の老後はどうなるの?
年金を払っていない人は、高い確率で老後自己破産となります。
老後自己破産とは、定年後の年金生活において、生活保護水準以下の収入で破産状態に陥り、生活に困窮する状況である高齢者のことを指します。
世界でも高い平均寿命で少子高齢化が加速している日本社会の中で、急増している年金生活を送る高齢者の貧困は大きな問題になっています。
定年前に老後資金を十分に蓄えていても、あるいは定年時に退職金を手にしたとしても、老後自己破産に陥ることがあります。
年金は、年金保険料の納付期間が10年に1ヶ月でも満たなければ、年金の受給資格がありません。
仮に、年金を9年11ヶ月支払っていたとしても、1円たりとも受給されることはありません。
年金の受給額が少ないとはいえ、老後に年金が全く受給されないというのは、生活に大きなダメージと共に、あなた自身の精神的ストレスにも繋がっていしまいます。
また、国民年金保険料の納付は義務化されているので、未納のままで放置していると、財産の差し押さえ処分を受ける可能性があるので、今のうちに解決しておくことをおすすめします。
年金生活だけでも、老後自己破産になってしまう人が多い中で、年金が支給されず財産の差し押さえされてしまったら、即自己破産となってしまいます。
また、年金未納による悪影響は、財産の差し押さえ処分だけではありません。
国民年金制度には、障害基礎年金と遺族基礎年金も含まれています。
障害基礎年金と遺族基礎年金は、前々月までの1年間の保険料に未納がある場合や、過去の加入期間のうち未納期間が1/3以上ある場合は受給されません。
身体に障害を追ってしまったり、うつ病などの精神障害になってしまった際に、受給される年金のことをいいます。
障害基礎年金1級で月額81,020円、2級で月額64,816円の受給されます。
遺族基礎年金は、国民年金の加入者が死亡した場合に、加入者の収入で生計を立てていた子供のいる配偶者、または子供に受給される年金のことをいいます。
月額64,816円受給されることができ、18歳未満の子供がいる場合はさらに月額18,650円を追加で受給されます。
年金の未納を続けていると、老後生活だけではなく、様々なことに悪影響を及ぼすことになります。
「どうせ、自分の世代には年金なんて貰えないから払わない!」と思って未納を続けたまま放置していると、思わぬ代償を受けることになります。
もし、あなたに年金の未納期間がある場合は、早めに納めて解決してしまいましょう。
老後を年金だけで生活する際に直面する現実とは?
老後を年金だけで生活する際に、直面する現実を今のうちから知っておくこと損はありません。
実は、年金だけでは、毎月の生活費をまかなうことは難しいです。
もし、あなたが現役時代の生活水準で、老後生活も続けたいと考えているなら、かなり厳しいです。
なぜかというと、現役時代に比べて、収入減が格段に減るので、住宅・車などのローン返済が残っていたり、病気など万が一にかかるお金の割合が増えていきます。
老後は、悠々自適な生活が待っているのではなく、お金との戦いが待ち受けているのです。
あなたが年金生活の現実を知った上で、今からでも遅くないので、老後の生活プランを立てていきましょう。
老後の最低日常生活費は夫婦でいくら必要?月額平均23.2万円
老後の最低日常生活費は、夫婦で月額平均23.2万円、独身者で月額平均14万円となっています。
年金受給額の月額平均は、国民年金が56,368円、厚生年金が145,665円となっているので、年金だけで生活費をまかなうことが正直できません。
また、【老後の貯金額は現実問題いくら必要?夫婦と独身者での貯蓄額の違いを徹底解説】の記事で詳しく紹介してますが、老後に最低限必要な貯金額は夫婦世帯で2,820万円、独身者世帯で1,750万円です。
しかし、年金以外に、夫婦世帯で2,820万円、独身者世帯で1,750万円の金額を貯蓄していなければ、老後に最低限の日常生活を過ごすことができないのが現実なのです。
年金だけでは老後自己破産の危機
老後を年金だけで生活しようと考えている人は、老後自己破産になる可能性を考えましょう。
老後自己破産とは、生活保護水準以下の収入で生活し、自己破産状態にある高齢者のことを指します。
毎日の日常生活にも困り果て、ついには窃盗(万引き)に手を出した結果、逮捕されてしまう高齢者が後を絶たず、社会問題化されてきているのです。
さらにいうと、社会で生活しているより刑務所にいた方がいいと考える窃盗(万引き)犯の高齢者は、何度も窃盗(万引き)を繰り返しては刑務所での生活を過ごしている高齢の犯罪者もいるぐらいです。
現実問題ですが、年金だけでは日常生活費するまかなうことができないので、すぐに老後自己破産になってしまうか、最悪生活費のために犯罪者になってしまうかでは、元も子もないですよね。
年金と生活保護を一緒に受給することは可能なの?
実は、年金と生活保護を一緒に受給することは可能なのです。
ただし、生活保護を受けるには、一定の条件を満たしていることが必要になります。
高齢者の場合は、年金以外の資産が全くなく、老後自己破産状態であれば、生活保護も受給することができます。
年金は、「収入」として扱われるので、最低生活費から年金分の金額を差し引いた分が生活保護分として受給される仕組みとなっています。
最低生活費 – 年金 = 生活保護受給額
「最低生活費」とは、日本国憲法の第25条で保障されている「健康で文化的な最低限の生活」を過ごすために必要な費用として、厚生労働省が毎年算定する生活費のことです。
あなたが住んでいる地域や世帯数・年齢によって受給額が異なります。
例えば、東京都千代田区在住で国民年金お受給者が生活保護を受け取る場合、毎月の年金受給額は変わらず56,368円を受給することができます。
国民年金受給額56,368円を生活保護受給127,920円を上限に差額を生活保護費として受給されますので、実際に受け取れる額は71,552円となります。
もし、老後生活で困窮した場合は、どうしても収入源の確保ができないようであれば、生活保護を受けることも視野にいれつつ、あなたが住んでいる地域の福祉事務所等に勤務しているケースワーカーへ相談してみましょう。
老後を年金だけに頼らずに豊かで悠々自適な生活を過ごすためには?
老後を年金だけに頼らずに、豊かで悠々自適な生活を過ごすために、今あなたが行動すべき大切なことをお伝えいたします。
- あなたの年金受給額を年金受給額シミュレーションをしてみよう
- ライフプラン(生涯生活設計)をしっかり立て行動しよう
あなたは、子育ても終わり、やっと自由な時間が手に入る老後に、お金のことで苦労したくないですよね。
現役時代から老後に向けてしっかりと準備をしていくことで、豊かで悠々自適な老後生活を過ごすことも可能なのです。
あなたの年金受給額と、どのような老後生活を過ごしたいかを、今から目に見える形で明らかにしていくことで、老後生活に向けた対策ができます。
あなたの年金受給額を年金受給額シミュレーションをしてみよう!
国民年金と厚生年金ともに、無料で年金受給額を試算してくれるサイトが公開されています。
年金の受給額の計算は、とても複雑なので、簡単で便利なサイトを活用して、あなたの受給額を計算してみましょう。
国民年金基金:年金額シミュレーション
保健市場:公的年金受給額シミュレーション
また、国民年金や厚生年金の加入者には、毎年誕生月に「ねんきん定期便」がハガキで郵送されてきます。
「ねんきん定期便」には、送られてきた時点で想定される将来の年金額が記載されています。
「ねんきん定期便」とシミュレーションを照らし合わせながら、あなたの老後資金のベースとなる年金額を試算してみましょう。
ライフプラン(生涯生活設計)をしっかり立て行動しよう!
あなたの年金受給額を年金受給額シミュレーションでわかったら、老後に向けたライフプランを立てて行動していきましょう。
年金受給額と毎月の支出を考えた上で、どのくらいの資金を準備しなければないかを考えます。
また、あなた自身だけの考えや判断だけではなく、第三者のファイナンシャルプランナーに相談するのもありです。
ファイナンシャルプランナーが無料相談を開催していたりする場合もあるので、ファイナンシャルプランナーに出会う機会があったら、ぜひ一度相談してみることもおすすめします。
しかし、悪徳なファイナンシャルプランナーなどの無料相談もあるので、しっかり信用・信頼できる相談会なのかを見極める必要もありますので、注意が必要です。
あなたが過ごしたい老後の生活水準にもよりますが、老後資金の準備を貯金だけでまかなうことも大変かもしれません。
現役世代のときから、毎月の貯金額の中から少額から資産運用に回し、資産運用でコツコツ資金を増やしていく方法を学んでいくことも、今からあなたの貴重な時間を活用することで身につくスキルアップに繋がります。
現在と今後の資金状況を把握した上で、豊かで悠々じ定期な老後生活に見合ったプランを立てていきましょう。
【まとめ】老後は年金だけだと苦しい生活が待っているが今からの行動次第で激変できる!
【老後は年金だけで生活できる?国民と厚生年金の違いから受給額まで徹底解説】について、私の経験と共に解説してきました。
結論から言うと、老後を年金だけで豊かで悠々自適な生活するのは、現実問題として無理です。
年金の実態とあなたの年金受給額をしっかり把握した上で、今から計画的に老後に向けた資金作りをしていく必要があります。
老後を年金だけでケチケチしながら生活することがないように、現役時代から貯金や資産運用をしっかり進めていくことが大切になってきます。
【老後の資産運用(投資)に失敗しないポートフォリオと借金を負わないおすすめ方法】の記事で、借金苦にならない老後の資産運用の方法について、詳しく解説しているので、興味があれば読んでみてくださいね。
また、今回お伝えした「老後を年金だけに頼らずに豊かで悠々自適な生活を過ごすための方法」は、次の2点でした。
- あなたの年金受給額を年金受給額シミュレーションをしてみよう
- ライフプラン(生涯生活設計)をしっかり立て行動しよう
まずは、あなたの老後の現実を受け止めた上で、現役時代を無駄にしないために、ライフプランをしっかり立てて、今からグイグイ行動していきましょう。
最後に、「老後の年金だけで生活できるか?」について解説してきましたが、私個人の考えは「そもそも年金に頼らない生活」をするために、働き盛りの現役時代にとことん収入源を複数作ることと、万が一に備えて最低限の暮らしになったとしても自力で稼げる力と楽しめる趣味を追求していくことで、1日1日を無駄にしないことを心がけて生きています。